もしもわたしが許されるのならば
「わたしね、義兄さんのこと好きだったの、この家に来たときからずっと」
ふと、氷雨ちゃんは話し始めた。
「別に、告白しようとか思ってなかった。義兄さんがわたしに対して、妹以上の感情を持ってないことは分かってたし、わたしも一緒に暮らせるだけでよかったから」
でも、と氷雨ちゃんは少し表情を曇らせ、話を続ける。
「高校に入ってから、義兄さんの話すことは結惟さんのことばかり」
「えっ……」
「『前と変わってなくて嬉しい』とか『今日も上手く話せなかった』とか、そんなことばっかり。だから聞いたのよ、結惟さんがどんな人か」
「それじゃあ……」
「分かってた、あの事故が結惟さんのせいじゃないって。悔しかった、いやでも結惟さんを好きって気持ちが伝わってくるんだもん。ごめんなさい、あのとき酷いこと言って」
「気にしないで。多分、わたしが氷雨ちゃんでも同じことしたよ」
好きな人が別の人のものになるのはつらいから。
ふと、氷雨ちゃんは話し始めた。
「別に、告白しようとか思ってなかった。義兄さんがわたしに対して、妹以上の感情を持ってないことは分かってたし、わたしも一緒に暮らせるだけでよかったから」
でも、と氷雨ちゃんは少し表情を曇らせ、話を続ける。
「高校に入ってから、義兄さんの話すことは結惟さんのことばかり」
「えっ……」
「『前と変わってなくて嬉しい』とか『今日も上手く話せなかった』とか、そんなことばっかり。だから聞いたのよ、結惟さんがどんな人か」
「それじゃあ……」
「分かってた、あの事故が結惟さんのせいじゃないって。悔しかった、いやでも結惟さんを好きって気持ちが伝わってくるんだもん。ごめんなさい、あのとき酷いこと言って」
「気にしないで。多分、わたしが氷雨ちゃんでも同じことしたよ」
好きな人が別の人のものになるのはつらいから。