もしもわたしが許されるのならば
「初めまして、結惟さん。木通雅晴(まさはる)です」

「わたしとは入学式で会ったきりよね?改めて、木通美佳(みか)です」

急に木通夫妻に紹介されることになって、わたしは緊張しながらリビングに座っている。

「月園結惟です、初めまして」

「そんなに緊張しなくてもいいよ。お父さんもお母さんも、結惟さんに会うの楽しみにしてたんだから」

「そうですよ。調の話すことは、いつも結惟さんのことばかりですから、会うのを楽しみにしてたんですよ」

「いらんこと言わないでよ、父さん」

「ねっ、わたしの言ったとおりでしょ?」

ばつが悪そうにしている調君を尻目に、氷雨ちゃんがわたしに囁く。

「ところで、貴方の大切な人と両想いになったこと、『水泡さん達』にはもう報告したの?」

「それはまだ。先に許しを得なきゃいけない人がいるからね」

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