もしもわたしが許されるのならば
1年Aクラス。
「今日からここが、わたしの教室……」
心機一転、いろいろな思いを巡らせながら、敷居を跨ごうとしたとき……
「月園(つきぞの)さん」
誰かがわたし達を呼びとめた。
「お久しぶりです」
「もしかして、調君?」
「はい、水泡調(みなわしらべ)です」
そこにいたのは、かつて隣に住んでいた幼馴染みだった。
どうして?
調君から離れるためにこの高校を選んだのに……
「ところで、そちらの方は?」
調君の後ろには、着物を着た女の人が立っていた。
「どうも、初めまして。木通(あけび)です」
「遠縁の親戚で、僕の後見人です」
「初めまして。失礼ですが、もしかして関西の方ですか?」
「あら、やっぱり分かってしまいます?京都出身で、嫁ぐまで向こうにいましたから。なかなか訛りは抜けなくて」
「そうなんですか……」
それから、お母さんと木通さんはお互いの故郷について話していた。
「結惟(ゆい)、わたしは少し木通さんと話したいことがあるから、先に調君と教室に入ってて」
「今日からここが、わたしの教室……」
心機一転、いろいろな思いを巡らせながら、敷居を跨ごうとしたとき……
「月園(つきぞの)さん」
誰かがわたし達を呼びとめた。
「お久しぶりです」
「もしかして、調君?」
「はい、水泡調(みなわしらべ)です」
そこにいたのは、かつて隣に住んでいた幼馴染みだった。
どうして?
調君から離れるためにこの高校を選んだのに……
「ところで、そちらの方は?」
調君の後ろには、着物を着た女の人が立っていた。
「どうも、初めまして。木通(あけび)です」
「遠縁の親戚で、僕の後見人です」
「初めまして。失礼ですが、もしかして関西の方ですか?」
「あら、やっぱり分かってしまいます?京都出身で、嫁ぐまで向こうにいましたから。なかなか訛りは抜けなくて」
「そうなんですか……」
それから、お母さんと木通さんはお互いの故郷について話していた。
「結惟(ゆい)、わたしは少し木通さんと話したいことがあるから、先に調君と教室に入ってて」