もしもわたしが許されるのならば
第2話
「月園結惟さん」

入学式から1週間ほどたつと、男女ともにいくつかのグループを作っていた。

わたしは敢えてどのグループにも属さずにいる。

昼休みに独りでお弁当を食べるのも、慣例となりつつあったあるとき、わたしに声をかけた人がいた。

「良かった。わたし、人の名前覚えるの苦手だから、ハラハラしたよ」

「確か、日和起希(ひよりきき)さんだっけ?」

「そう、覚えてくれてありがとう」

確か、クラスの中でもいち早く周りと打ち解けた人だ。

文字通り、太陽のような笑顔。

少々の強引さはあるものの、それが周りと打ち解ける要因だと思う。

「それで、日和さんがわたしに何の用?」

「一緒にお弁当食べようかと思って」

「いいけど、わたしに関わると全うな一生送れないよ」

失礼な対応だとも思ったけど、あんな思いをするくらいなら周りに嫌われたほうがマシだ。

けれど、日和さんは意外な答えを返してきた。

「大丈夫、『お前は絶対長生きするタイプだ』って、周りからたくさんお墨付きもらってるから」

できるだけ他人と関わらないようにしようと思ったのに、こういう返事をする人には初めて会った。

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