キオクノカケラ
どうしよう…!
結城くんがこっちに来る!
きっとこのロッカーを開ける気なんだ…っ。
どうしよう。
…私がいることが分かれば、結城くんは私を全力で守ろうとしてくれるだろう。
彼は、私を守ると約束してくれたから。
でもその分だけ、結城くんは不利になる。
私のせいで……。
そんなの嫌。
考えなきゃ。
どうすればいい……?
ぎゅっと胸元で両手を握ったとき、私はあるものに気がついた。
「これ…」
絶対に大丈夫だとは言い切れないけど、やるしかない!
そう思い立って、私が行動にうつしたのと、
ロッカーの扉が開いたのは、ほぼ同時だった。