キオクノカケラ
こういうところは変わってないんだな
楽しみだなあ♪なんて言いながら、外を眺めている彼女を見つめていると
もうひとり、
彼女を見つめる視線があった。
「章…お前も諦めが悪いな。」
そっと呟くと、視線がオレに向いたのが分かる。
そんな視線を無視して頬杖をつき、携帯を取り出す。
「…何のことです?」
「別に、独り言」
「知ってます?独り言って……」
「ハゲるんだよね!」
章の言いかけた言葉に、詩織が言葉を重ねる。
「あっ…その、ごめんなさい」
彼女は慌てて、顔を俯かせる。
「いえ、その通りですよ。詩織さん」
顔を上げて下さい、と章が笑いかける。
そんな章の笑顔を見て、詩織は顔を赤らめる。
面白くないね…
「ハゲる…ねぇ」
「一体どこからそんな話しが出てきたんだい?」
携帯を胸ポケットにしまい、深くため息をつきながら、呆れたような視線を送ってやる。
俯いた顔を上げた彼女は、少し困ったように
オレと章の顔を見比べる。
「噂とは、根源が見つからないものですよ」
「ふん、あんたもいい性格してるよ」
「…誉め言葉として受け取っておきますよ」
油断ならない奴…
早いとこ記憶を取り戻させないとな
まあ、渡す気なんてさらさらないけどね。
『頭領、あと5分程で到着です』
「ああ、分かった」
スピーカーから聞こえる声に返事をして、不安げな詩織の手を掴み、微笑む。
「大丈夫だから、オレに任せてくれるかい?」
彼女は少し頬をピンク色に染めて、静かに頷いた。
楽しみだなあ♪なんて言いながら、外を眺めている彼女を見つめていると
もうひとり、
彼女を見つめる視線があった。
「章…お前も諦めが悪いな。」
そっと呟くと、視線がオレに向いたのが分かる。
そんな視線を無視して頬杖をつき、携帯を取り出す。
「…何のことです?」
「別に、独り言」
「知ってます?独り言って……」
「ハゲるんだよね!」
章の言いかけた言葉に、詩織が言葉を重ねる。
「あっ…その、ごめんなさい」
彼女は慌てて、顔を俯かせる。
「いえ、その通りですよ。詩織さん」
顔を上げて下さい、と章が笑いかける。
そんな章の笑顔を見て、詩織は顔を赤らめる。
面白くないね…
「ハゲる…ねぇ」
「一体どこからそんな話しが出てきたんだい?」
携帯を胸ポケットにしまい、深くため息をつきながら、呆れたような視線を送ってやる。
俯いた顔を上げた彼女は、少し困ったように
オレと章の顔を見比べる。
「噂とは、根源が見つからないものですよ」
「ふん、あんたもいい性格してるよ」
「…誉め言葉として受け取っておきますよ」
油断ならない奴…
早いとこ記憶を取り戻させないとな
まあ、渡す気なんてさらさらないけどね。
『頭領、あと5分程で到着です』
「ああ、分かった」
スピーカーから聞こえる声に返事をして、不安げな詩織の手を掴み、微笑む。
「大丈夫だから、オレに任せてくれるかい?」
彼女は少し頬をピンク色に染めて、静かに頷いた。