キオクノカケラ
「僕のことは、もう知ってると思いますが、堂本章です。」


よろしくお願いしますね、と付け足して笑いかけてきたのが、

章さん


「えっと、章さん…恵さん…隼くん…葵さん…光一くん……?」


ひとりひとり、並んでる順に、指をさして名前を確認する。

みんな同じ学校だったのかな


「そんな詩織ちゃん!さん、なんていらないよ!!」


「私も呼び捨てで構わないわ。」


「あ…はい……分かりました、それじゃあ」
「敬語も!!!」


ビシッと私に指を差す恵の気迫に負けて、

敬語をやめて、恵と葵は呼び捨てにすることにした。


隼くんと光一くんのことは、前から“くん”付けだったらしいので、敬語だけ外した。


章さんは、今まで通り、敬語に“さん”付けになった。




自己紹介が終わって、学校の話しを聞いている内に

時間はあっという間に過ぎていった。


夜の9時をまわったころ、


「皆さん、もう遅いですし、明日は日曜です。続きは明日にしませんか?」


「そうね、詩織も今日は疲れただろうし…また明日来ましょう」


「そうだね」


章さんの言葉にみんなは頷いて、


「じゃあね詩織ちゃん、また明日!!」


「また明日、来るわね」


「じゃあな!」


「また明日。」


「うん!また明日!!」


ドアの外で元気よく手をふる恵は、その手が隼くんの頭に勢いよく当たって、爆笑していた

それを見て、私も思わず吹き出す。


そこは謝るところじゃないのかと思ったのは内緒で

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