キオクノカケラ
“何者?!”なんて失礼かもしれないけど…
社長?
海軍?
結城くんって何歳??
頭の中でこの3つの言葉がぐるぐると回る。
「ぷ…くすくす。詩織、顔に出てるよ」
考え込んで俯いていた顔を上げると、
くすくすと笑う結城くんの姿があった。
……私って顔に出るタイプなのかな
思わず頬を両手で挟み込む。
「詩織さんは素直で可愛いですね」
「ええっ?!」
そんなことを言う彼は、菫色の瞳を細めた。
頬に熱が一気に集まってくるのが分かる。
やばい…話しがそれてく!
戻さないとっ!!
そう思った私は、ソファーから立ち上がってふたりに向き直ると、話しを戻した。
「えっ、えっと…社長ってどういうこと?」
「どういうって言われてもな…。そのまんまの意味だけど」
結城くんは肩を竦めて足を組む。
今の、説明になってないと思うんだけど…
そういう思いをこめて結城くんをじっと見つめる。
そんな私を見た章さんは、
結城くんを横目で見ながらため息をついた。
「頭領…それでは説明になってませんよ」
その言葉にこくこくと頷く。
結城くんは、組んでいた足を解き、
片足をソファーに乗せて、膝を抱え込むように座り直した。
そして、しばらく考えるように黙ると
ふと顔を上げて、琥珀色の瞳が私をとらえた。
「…オレも全部話す。だからお前も全部話してくれ」
「全部………?
私、何も覚えてないよ?結城くんのほうが私のこと知ってるんじゃない?」
「そうじゃない。お前が記憶をなくした後のこと」
「…………」
それはきっと、叔母さん夫婦の家に居た頃のことだろう。
私が、どんな生活をしていたか
前を見れば私をしっかりと見つめる
琥珀色の瞳と菫色の瞳。
このふたりになら話してもいいような気がする。
なんの根拠もないくせにこんなことを思うのは
どうしてだろう…
社長?
海軍?
結城くんって何歳??
頭の中でこの3つの言葉がぐるぐると回る。
「ぷ…くすくす。詩織、顔に出てるよ」
考え込んで俯いていた顔を上げると、
くすくすと笑う結城くんの姿があった。
……私って顔に出るタイプなのかな
思わず頬を両手で挟み込む。
「詩織さんは素直で可愛いですね」
「ええっ?!」
そんなことを言う彼は、菫色の瞳を細めた。
頬に熱が一気に集まってくるのが分かる。
やばい…話しがそれてく!
戻さないとっ!!
そう思った私は、ソファーから立ち上がってふたりに向き直ると、話しを戻した。
「えっ、えっと…社長ってどういうこと?」
「どういうって言われてもな…。そのまんまの意味だけど」
結城くんは肩を竦めて足を組む。
今の、説明になってないと思うんだけど…
そういう思いをこめて結城くんをじっと見つめる。
そんな私を見た章さんは、
結城くんを横目で見ながらため息をついた。
「頭領…それでは説明になってませんよ」
その言葉にこくこくと頷く。
結城くんは、組んでいた足を解き、
片足をソファーに乗せて、膝を抱え込むように座り直した。
そして、しばらく考えるように黙ると
ふと顔を上げて、琥珀色の瞳が私をとらえた。
「…オレも全部話す。だからお前も全部話してくれ」
「全部………?
私、何も覚えてないよ?結城くんのほうが私のこと知ってるんじゃない?」
「そうじゃない。お前が記憶をなくした後のこと」
「…………」
それはきっと、叔母さん夫婦の家に居た頃のことだろう。
私が、どんな生活をしていたか
前を見れば私をしっかりと見つめる
琥珀色の瞳と菫色の瞳。
このふたりになら話してもいいような気がする。
なんの根拠もないくせにこんなことを思うのは
どうしてだろう…