リナリア
現にこうしてお菓子を目の前に目を輝かせている。
そこで、今まで何度も思ったことのある言葉を改めて一也くんに言ってみる。
「食べ物を前にした一也くんって、小動物みたいで可愛いよねっ!」
すると、あんなに目を輝かせていた一也くんは一気に拗ねた。
初めて、一也くんの拗ねたとこを見れた嬉しさで胸が苦しくなった。
端から見たら、いつも通りの一也くんかもしれない。が、いつも一気にいるからこそ分かることだ。
この拗ねた一也くんの機嫌を直す方法を私は既に知っている。
「一也くん。クッキーとかもあるけど」
そういって、一也くんに見せびらかすように出せば、
「...変な奴。」
何事もなかったように機嫌が直るのだ。