リナリア
――――キリトリセン――――
「何も話さないで、ぼーっとしてるところ見たら超格好いいのに...」
「でも、最近マスコットキャラ的な琴ちゃんが若葉くんの近くにいるから、あんまし怖く感じないな...」
アタックアタックの日々を得て、最近ではいつも一也くんの机に自分の椅子を運び2人で話す機会が増えた。
とは言っても、席は隣同士だし、大体話しているのは私。たまに相槌を打ってくれる一也くんの目が優しくて嬉しくなる。
今日も一方的にテレビの話しをしていた時のことだった。一也くんの顔を見て何か噂をしている子達の話が聞こえてきた。
皆、一也くんを怖がる。私は、何も知らないのに外見だけみて、性格を決める人はどうかと思う。
私だって、最初睨まれた時少し怖かった。でも、私を睨む瞳の向こうには哀しい何かがある気がする。気になって、気になって、私は、一也くんに心を少しでも開いてもらうため、毎日話し掛けた。
それで、やっと自然、とは言い難いが一緒にお弁当を食べるようになり、沢山喋って分かったことだって沢山あった。
一也くんは、いつも人のことばかり考えてるんだよ。
私が転ぶと手当てしてくれるんだよ。
一也くんはいい人なんだよ。