照れ隠し。
「千景どこ行ってたの?」
「どこだっていいじゃん」
「そればっか」
日野君と正反対といえる彼の名は宮端千景。
愛想もないし口も悪い。
いつも人を見下していて…そんな彼がなぜ日野君と親友なのかはとても謎だ。
面倒臭そうな呆れたような、どちらにも取れる表情を浮かべたまま、視線をゆっくりと日野くんからあたしへと…
否、あたしの手元にあるメロンパンへと向けられた。
そして、嫌悪感をだだ漏れさせて口を開いた。
「俺、メロンパン大嫌い」