照れ隠し。
「てか、みたらし団子とかどんなもん食ってんだし」
口を開けば嫌味しか言わない、この腹立つ青年をどうしてくれよう。
青年は地面に落ちた団子を視界に映し、フンと鼻を鳴らした。
…またその動作が途轍もない腹立たしさを覚える。
「好きなんですぅ、なんか文句でもあるんですかっ?!」
「ないわけないよね?」
「…」
「こんなみたらしだらけにされて文句がないわけないよね?」
…けど、正論は間違いなく青年で。
「どうしてくれよう?」
"どうしてくれよう"
口に出してないはずなのに、なぜ言い返されているのか…
この人は人の心が読めるのだろうか。
「んなわけないじゃん」
「え?」
「人の心なんて読めるわけないじゃん。
そもそも、よくそんな漫画みたいな発想が浮かぶね」
さっきまで地面に腰をかけていた青年は、いつの間にかあたしの目の前に立ちはだかっていて。