照れ隠し。
「話は変わるけどさ、なんで別れちゃったの?」
あたしの言葉に楓の表情が少しばかり歪むと、重々しく口を開いた。
「幸、チンジャオロースが好きなんだって」
「あぁ、ピーマンが原因」
楓の渋い顔にあたしは納得するように小さく笑うと、楓は頭を抱えるて机の上にうな垂れ盛大なタメ息を漏らした。
「ほんっとに顔はもろタイプだったのに!」
「楓ピーマン大嫌いだもんね」
「そうなの!幸が昨日、チンジャオロースが好物だから作ってって言ってきて、チンジャオロースって言ったら3分の2がピーマンじゃない!
なのに幸ってば…っ、
ピーマンなんか触れるかボケって言って脛蹴って別れたわ」
「うわー悲惨…」
「でしょっ!」
「…うん」
いつも別れは突然で、無茶苦茶な理由で関係が経たれる楓の恋愛。
今回も見事にピーマンという理由で脛を蹴られ別れを切り出された幸くんは、
一体どんな気持ちだったのだろうか。