照れ隠し。
「んー…、ていうか俺前川さんのこと好「おいコラ返せ」
頬をほんのりと赤らめる青年の言葉を遮って、あたしは勢いよく立ち上がり、机をバンッと叩いた。
「あたしの唐揚げ!
最後にとっておいたのにっ!大好きなのに!!」
「そうなの?俺も唐揚げ大好きだよ、一緒だね!」
キッと睨み詰め寄るあたしに青年は再び満面の笑みを向けると言葉を続けた。
「お店の唐揚げもいいけど、やっぱ手作りの唐揚げは違うよね!
なんていうか、同じ唐揚げでも愛が詰まってるっていう、その…温かいよね、なんか。
…ん、まぁでも前川さんの唐揚げだから俺は食べるんだけどね」
「ただの唐揚げ泥棒だろ、毎回毎回…」