“俺の女”





少し走ったとこで
ヒロさんが口を開いた




「家帰るの急ぐ?」




「え‥?」



「いや‥ちょっと
寄りたいとこがある」




「‥うん。大丈夫だよ」





相変わらず
態度が違うヒロさん





どうしたのかな‥





住宅街を抜け
賑やかな町も抜け
車はどんどん
暗い方へと進んでいった




街灯がなく人もいない




ただ
車の量は多かった







もう少し行ったところで
あたしは気付いた





ここ‥


前も来たことある‥?





かすかに覚えてる
山道をどんどん登っていくヒロさん




たしか…





「夜景見に来たとこ??」




「覚えてた?」



「ここまで来て
気付いた‥」



「そっか」




クリスマスだからか
前来た時より
車の数が半端なく多い





坂の途中で車を止め
あたしたちは降りた





「綺麗だね〜!!!
二回目だけど感動する♪」



「まぁな‥」





暗くてよく見えないけど
周りにもカップルたちが
いるのか 声が聞こえてくる





ここってやっぱり
人気なんだね〜‥





でもなんで
またここに来たんだろ





あたしは夜景に惹かれながら
そんなことを
考えていた





その時だった‥





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