“俺の女”
埋まった空間
「いってきまーす♪」
季節は初春。
風の冷たさもなくなり
ほんのり香る
春の匂いが心地いい
今日は高校の卒業式
あたしの大切な先輩
美紀さんが今日卒業を迎える
学校へ着くなり
二年生は卒業生の
胸に付けるリボンの創作
まったく…
当日まで
やらすなっての‥!!
まだ過半数しか来ていないため
教室はガラガラ…
めずらしく早めに登校してきた
あたしは一人で
創作を続ける
そして、めずらしく
まだ礼は来ていない
いつもはあたしより
先に来てるはずなのに‥
一人でいるからか
周りの声がやけに聞こえてきた
"離れたくないよ〜"と
先輩と付き合っている子が
ただをこねてたり
"寂しくなるよね‥"と
ただただ卒業というムードに
浸っている子もいる
そして―
「水谷先輩やっと
いなくなるんだね〜」
最近は嫌がらせなんて
目立っている行動を
していないはずなのに
やはり京子さんの評判は悪いらしい
怖い先輩というイメージが
強いんだよね…
ヒロさんの件から
結局 一言も話をすることなんて
なかった
避けられてばっかりだったからね
京子さん
今でも怒ってるのかな〜‥