“俺の女”







普段はほとんど
使わない四階へと上る




階段から廊下に出ると
その姿はあった





京子さんは
ゆっくりと振り向くと
また前を見た






「こんにちは‥」




「ヒロとは うまく
いってんの?」



「あ、はい。」




「ふ〜ん。 そっか…」





なんか様子が違う‥?




言い方はきついけど
雰囲気が全く違う






「京子さん‥あの」

「あたしね!!
今でもヒロのこと
好きだよ!!」




「え…‥」




「そして 今でも
あんたが憎い…」




「……」



やっぱりあたしのこと
まだ怒ってるんだ






「だけど いつまでも
こんなんじゃ
いけないって思ってる‥」




「…!?」




「ヒロが大切だから…
だからあたしはヒロが
大好きな人を
大切にしなきゃって」






「京子さん?!」




「ずっと考えてたのよ。
あんただって
あたしと同じくらい
ヒロのことが
好きなんでしょ?」



「…はい‥」





「…だからね、
もう辞めるわ。
いつまでも憎んだって
何も変わんないし、
バカみたいじゃん‥」





表情も違う





初めてみる
微笑む京子さんは
ものすごく綺麗で




あたしは
しばし黙ってしまった…




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