“俺の女”





<もしもし?
じゃあ今から行くから。>



「分かった。
何分くらい?」




<20分もあれば着くと思う>



「待ってる。」




電話を切り礼を見ると‥






「………」




キョトン顔で
じーっとあたしを見ていた



驚くのも無理ないよ
あたしがこんなに
怒ってるは初めてだし
しゃべり方だって
荒いしね‥





「今から ヒロさんが
迎えに来るからね。
勇くんと もう一回
話した方がいいよ。
あたしも言いたいこと
あるし」




「なんか… ごめんね?
ここまで、あかりに
怒らせるとは…」




「礼は悪くないじゃん。
あたしは
勇くんと女に
怒ってるんだよ!!
許せない。
どんな理由があったのか
知らないけど、
裏切るなんて絶対
許せない…!!」





すでに怒りのピークは
きていた




「あかり‥
あたし自信ない‥」



「え??」



「女の人を前にして
何て言えばいい‥?
勇のこと好きだけど
もう子供がいるって
分かったら
今更、取り返せる
わけないよ‥!」




「礼らしくない…
いつも強気な礼は
どこにいったの??」



「強気になんて
なれないよ〜‥
あたしは‥
弱い人間だね…」




弱い人間‥?




人に強いも弱いも
あるもんか!!!




「別に勇くんを
取り返すなんて
しなくていいじゃん。
最後に一発だけ
言ってやれば
それだけで十分だよ。
このまま引き下がるのは
悔しいでしょ?」




「あかり…」





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