“俺の女”




「ご不満‥?
抜かすなてめぇ。
さっきから俺の女に
馴れ馴れしくしてんじゃねぇよ。」



「ふっ‥ ヤキモチ?
仕事だから仕方ないでしょ?!
こんなとこまで来て
見張りっすか?」



やめてよ恵太くん!!
今は熱くならないで‥!!


声が小さいのが
せめてもの救いだ


他のお客さんは
気付いてない様子



「ふざけんな。
下見に来ただけだ。
どんなヤツか。」


「下見?!
‥もう遅いわ。」


「は‥?
どういう意味だよ‥」


「別に大したことじゃないけど。
まぁこの前言ったことは
本気なんで、
女、離したくなかったら
気、緩めないように。
じゃあ失礼します♪」



「おい!!待て‥」

「ヒロさん‥っ!!
やめて?! 他に客が
いるんだし‥」


近くのテーブルにいた
あたしはヒロさんの
言葉を止めた



「あかり‥
あいつだろ‥この前の。
ふざけやがって。」



少々イラつきが
あるヒロさんは
いつもの雰囲気と
全く違っていた



「とりあえず
落ち着いて‥?
あたし今日、早く
終わらせてもらうからさ。」



この空気に
これ以上いたくない


今日は早く帰るべきだ



あたしが終わるまで
ヒロさんはずっといる

一緒に来てる友達は
この状況にも動じず
たばこを吸ったりと
マイペースだった





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