“俺の女”




ヒロさんと健二郎くんの
顔色が変わるのを見て
あたしは振り返った



まさかだけど
その声は


「これ、忘れもの♪」



恵太くんだった



「あ‥わざわざ
ありがとう。」


「いーえ♪」


忘れものと言って
持ってきてくれたのは
ボールペンだった


別に持って帰っても
帰らなくても
どっちでもいい物…


ほんと
わざわざ‥だね。



「なに‥わざわざ
俺に申し込み?
止めとけ。俺に
勝ち目ねぇから。」


あたしと恵太くんの間に
立つヒロさん


「申し込みなんて
してないっすよ。
最初から始まってるもん。
っていうか
勝ち目はあるし?」



真奈は来るなり
この状況だから
さっぱり?な顔をしてる


っていうか
真奈に知られたら…



「黙れバカ。くそったれに
あかりは渡さねぇって
言ってんの。
わりぃが諦めろ。」


「そんな簡単に
諦めれたら俺だって
苦労しねぇよ。
まぁバイト戻るんで
また。じゃあね、
あかりさん♪」


そう言って
楽しそうに戻る恵太くん


「あの野郎…
行くぞ。」


「う、うん‥」


普段からキツい性格
だけど
怒るともっとキツいね
ヒロさん‥。


恵太くんも
なんで、あーなのかな‥



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