“俺の女”





健二郎くんの家に着き
二人は降りた

あたしは真奈を止め
一言呟いた


「あのさぁさっきのこと
誰にも言わないでね‥?」

「分かってるよ。
お口チャックしますッ♪」

「お願いします。」


あたしは助手席に
乗り換え真奈たちに手を振り
車は進んだ



本当に大丈夫かな…



「どーする?これから。」


「え? あ〜どうする?」


遊ぶ予定はなかったから
急な行く場所なんてない


バイトを早引きしたのは
いいものの
ヒロさんと顔を合わせづらいのは
変わらない


恵太くんとキスしたなんて
知ったらヒロさんは
なんて言うのかな‥


あたしはただ
そのことだけで頭がいっぱいだった



「じゃあ…
適当にドライブでもすっか。」


「賛成。」



車は市内を抜け
あたしの知らない街へと
走り出す


「なぁ‥何か
隠してるだろ。」


「へ…??!」


途中で買ったジュースを
片手にあたしは驚き
体が硬直する



隠してるって…
何か知ってるの?


もしかして―‥


「なにその反応。
何かあるんだ…」


「別に‥何も
隠してなんかないよ‥!!?」


「そう?」


「うん‥。 なんで?」



恐る恐る聞いてみるが
内心ドッキドキ‥


まさかキスのこと
恵太くん言っちゃったの‥??





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