“俺の女”




「ヒロくんは今
あかりのことを見てる。
そして、恵太って子と
向き合ってあかりを
好きな気持ちを
ぶつけてるの。
だから、あかりも
嘘ついちゃダメだよ。
キスは感情なくたって
隠してちゃ裏切りだからね。」



礼は真っ直ぐあたしを見て言った


そうだ‥


隠す必要なんてないよね

あたしは恵太くんに
少しも感情なんてない


ヒロさんと恵太くんが
向き合ってるのに
あたしが現実から逃げて
どうするのよ



ヒロさんとあたしも
向き合うことで
恵太くんにも伝わる
何かがあるはず


そう思った瞬間
モヤモヤが少し取れた気がした



「言う。
逃げないで向き合う。」


この決意は
キスのことだけじゃなく
あたしの中で
大きな想いが確実に
固まったんだ



「そっか♪
あかりならそうくると思った。」


「ヒロくんなら
あかりを信じると思う。
だから素直になんなね?」


二人の言葉を受け
持つべきものは友達だと
改めて感じた


ヒロさん



あたしは今
もう一度、初心になって
固めた想いを
ぶつけるから


ヒロさんの揺るがない想いを信じて
見守るよ―‥。





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