“俺の女”
「だってさ、すっごい
大人しくて逆にダサいのよ。
確かね…あかり?って
いってたっけなぁ。
うんうん‥あ〜‥だねぇ。
でもあたしなら大丈夫っしょ!!
イケる気がするもん♪」
あかり―‥
ヒロに‥あかり。
これはもう
偶然なんかじゃない
ヒロさんのことだ
さっきいたのは
この人を送るために
来てたんだ
元カレ‥って言ってた
誰??
あたしは
その女性が見える場所まで
人を掻き分けて移動した
そして目に飛び込んできた女性は‥
正月
初詣の時に会った女性
理乃さんだった
言葉が詰まり
何も言えない
次から次へと出てくる
あたしの悪口や
ヒロさんへと気持ちを
発する理乃を
ただ見ているだけだった
理乃さんと会ってたんだ
ヒロさん…
どうして言わないの?
なんで嘘つくの?
なにかやましいことが
あるから?
考えるのも辛いよ
理乃さんの言葉が
嫌でも入ってくる
聞きたくない
聞きたくない…
早くここから出たい!!!
ヒロさん
あたし…
どうにかなりそうだよ…