“俺の女”





翌日。


結局一睡もできず
学校に行くと
当たり前のように
礼から問われる



「隈‥できてるけど?」


「……」



言い訳する力も
もはやないあたしは
感付かれた礼に
昨日の出来事を説明した




「あかりってさ
運が悪いっていうか
男運悪いよね」


「…別にヒロさんは‥」


「こんなこと言うのは
申し訳ないけど
嘘つく男はろくでもないよ。
例え何もなくても
それが男の生き方でも
嘘はあかりにとって
一番辛かったんでしょ?」


「うん‥」



始めて嘘をつかれた
だから、あたしは
受け入れられない
この出来事を
なかったことにしたくて
自分から避けようとした



ヒロさんの過ちを
あたしがなかったことに
できるなら
そうしたいって思った



好きだから


信じてるから



「あかりが逃げちゃ
ダメだよ。」


「……!!」


「事実は何か。
あかりは彼女なんだから
怖がっちゃいけない。
…じゃなきゃ
いなくなっちゃうよ
ヒロくん‥」



礼は一番分かってるんだ
好きな人が離れる辛さを
知ってる分
あたしに進めという



「理乃さんは本当に
ヒロさんを奪う気
なのかな‥」


「分かんない‥
けど確実に存在は
近いよ。」






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