“俺の女”




存在は近い―‥




正月以来
存在は消えていたと
思ってた



でも現に今
ヒロさんのそばにいる
理乃さん



徐々に
理乃さんの範囲が
狭くなる恐怖が込み上げた






「今から会えないかな…
親にはもう外出許可
もらってるから」



<今から‥?分かった。
家行くわ>


「待ってる」



家に帰り
ヒロさんに電話をした


親には既に言ってあり
帰りの時間も自由にさせてと
お願いしたら
あたしの変化に気付いたのか
OKをもらった



逃げたらダメだよね

あたしが逃げたら
当たり前のように
ヒロさんは離れていく



もしこれに
気付かなかったら
本当にヒロさんが
遠くなってたかもしれない


礼に感謝するよ




<着いたけど‥>


「すぐ出るから」



特にオシャレもしなく
部屋着のままで
ヒロさんと会う



そこまでの余裕が
なかっただけ‥




「ごめんね‥
急に呼んだりして」


「全然。暇だしな」


「そっか。なら良かった」



車に乗り込み
普通の会話を多少した後
あたしは
本題に入った




「聞きたいことがあるの‥」

「‥え?」



少し進んだとこに
車を停め
公園に入りベンチに座る





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