“俺の女”




そして‥夏がきた




7月初旬

むさ苦しい暑さの中
学校は一変に受験モード
緊張感が流れる教室で
あたし一人が浮いていた




礼は東京の有名大学を
受けるため必死に頑張っていた


頭が良い礼は
先生からも期待されてて
クラスからも
応援されている


‥あたしも
もちろん応援してるんだけど
受かったら礼は
東京に行ってしまうんだよね?



正直寂しい‥



あたしには有名大学なんて
とてもじゃない


だから礼と一緒になんて
言ってらんないんだ


離れるのは寂しいけど
親友のためなら
応援するよ



「就職っっっ??!!」



そう大きな声で
あたしに叫ぶのは担任


「はい」


「進学は‥?」


「しません。あたし
頭良いわけじゃないし
行きたい大学もないんで。」


「そうか‥。」



あたしは担任と
今ごろになって進路相談


‥というのも
進学から就職に変更するのを
伝えたんだ



大学なんてどうせ
あたしには不向きだし
行っても親のお金が
勿体無いと思って
将来の夢もないあたしは
いっそのこと就職に決めた


担任は驚いてはいたが
反対はしなく、
さっそく就職活動を始めた




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