“俺の女”
「今引っ越しの準備で
色々忙しいだけだよ。
ヒロくんに限って
忘れるってことはないと
思うけどな」
「まぁね〜」
礼にはヒロさんが
東京に行くことを伝えた
寂しくなるけど
同じ日本なんだから‥と
デカイ範囲で
慰めてくれたけど
ちょっと慰めになってないよね…
まぁでも
嬉しかったよ
礼はいつもあたしのことを
心配してくれて
常に気にかけてくれてる
自慢の親友だ
そして夜
部屋でグータラに
時間を過ごす
携帯が鳴る度に
笑顔になるんだけど
ヒロさんからは
未だに連絡はない
はぁ〜‥
ヒロさん
そんなに忙しいの?
記念日を忘れてるどころか
連絡さえもないって‥
もうすぐ
あたしたちは離れ離れに
なるんだよ?
寂しくないの?
あたしを恋しいと
思わないの?
………………。
何考えてんだか‥
っていうか
あたしから連絡すれば
いいんじゃん!!
バカなあたしは
やっと気付いた
素早くヒロさんに
電話を掛ける
何て言おうか
"あした一年記念だよ"
"なんで連絡くれないのよ!!"
呼び出し音が鳴る中
あたしは考えた