“俺の女”




店を出て再び車に乗る



「ちょっと汚いけど
俺んち来るか?」


「え‥? あ、うん行く!」


久々のヒロさん家


引っ越しの準備で
大変なのに、あたしが
行っても大丈夫なのかな‥


すぐ着いた家は
外から見ても引っ越しムードが
満載だった


山積みにされた段ボールにお出迎え



「あかりちゃん!!」



元気にあたしの名前を
呼んだのは美紀さんだった


「おじゃまします!!」


「元気にしてたぁ?
久しぶりだよね♪」


「はい。元気ですよ!
引っ越し大変ですね」


「そうなの。暑くて嫌になるよ‥
‥‥あかりちゃんは?」


「え?!‥あたし?」



美紀さんはヒロさんを
チラ見しながら言った


「あかりちゃんも行くの?
お兄ちゃんと一緒に」



「…?いや、行かないです。
寂しいけど、ここにいます」


「そーなんだ。
お兄ちゃんが一人暮らし
するって言うから
てっきり、あかりちゃんを
連れてくるのかと思った」



あたしが期待してたこと


美紀さんはズバリ言う


けど、もう心に決めたから
大丈夫なんだ


「みんなに会えなくなるのは
寂しいけど
またいつかは会えるんだし
美紀さんも頑張ってくださいね♪」




あたしは満面の笑みで言った





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