“俺の女”




"ばいばい"が怖くて


やっぱり
ヒロさんと離れるのが怖くて




ちゃんと次の約束を‥




「またね!! ヒロさん!!」



そう大きな声で
閉まった扉の向こうにいる
ヒロさんに叫んだ




またね‥



また会おうね。



声は聞こえなくても
口を見れば分かる



"またな"



確かに言った


笑顔でそう返してくれた



それが嬉しくて



嬉しくて
嬉しくて



また泣いたんだ



ゆっくり走り出す新幹線を
追いかけるように歩くあたし



ヒロさん‥



次いつ会える?



まだ見えるヒロさんを
あたしは追いかけた



ヒロさん


次いつ会おっか‥




あたし不安にならないよ



もう寂しくないよ?



また会えるから―‥




ヒロさんはすっかり
見えなくなり
ヒロさんを乗せた新幹線は
遠くなっていった





ホームに立つあたし



笑顔のあたし



強くなったあたし




ヒロさん?



信じてるから



あたし‥



信じてるからね。




そのまま駅を後にし
あたしは家に帰った






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