“俺の女”





「どうするの?」


「助けてよ礼〜‥
なに考えてるんだろ
もう〜どうすれば?」


「だから言ったじゃん
あたしはお手上げだって。
ヒロくんは東京だし
他に助けはいないよ‥」


「ヒロさん‥」



ヒロさん


きっと怒るだろうな



いない所で
他の男と帰ったりしたら
裏切りになるんだよね



ヒロさん‥



そばにいたら
きっと助けてくれた



"俺の"って
言ってくれたよね



今はいない

あの姿も声も
今はない



「あかり‥?」



礼は急に心配な顔を向けた

「会いたいな‥ヒロさんに」


ヒロさんのことを考えると
会いたくなって仕方ない


ヒロさんがいてくれたら
どんなに安心か


この距離のおかげで
改めてヒロさんの存在を
恋しく思ったんだ


あたしにとって
どんなに大切か


ヒロさんは
あたしを守ってくれた



こんな時
何があっても
来てくれたっけ



川島くんか‥



ヒロさんを見たら
どう思うんだろ



かっこよくて
背が高くて
言うことナシの
容姿端麗なヒロさん


自慢の彼氏を見たら
諦めつくのかな




あ―‥


あたしダメだ



ヒロさんに会いたい


あたしの彼氏だ!って
自慢したいよ



離れて分かった
このわがままな性格は
あたしもビックリするぐらいだ






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