“俺の女”
都内某所
ホテルの中の有名なレストランに着いた
個室へと案内され
円になっているテーブルに
それぞれ席につく
何もかもが初体験なあたしは
みんなに合わせることだけで
精一杯だった
テーブルマナーは
学校で習ったことがある
それだけが救いだ
「なんか‥
緊張するね」
横に座った美紀さんが
あたしに呟いた
「え‥初めてなんですか?」
美紀さんたちなら
何回も来てると思ったけど
「何回かこういう場所に
来たことあるんだけど
あたしにはどーも
向いてないみたい‥!
この空気がまず苦手なんだよね」
意外だな
慣れてそうなのに
けど、あたしも一緒だ
この空気は
何回来たとしても
慣れないや きっと
「コソコソ話してんな!!」
反対側の横には
ヒロさんが座っている
美紀さんとあたしは
苦笑いで頷いた
「あ〜きたきた♪」
お母さんの声と共に
テーブルの上には
たくさんの料理が乗せられた
すごっ‥!!
カラフルだし
光ってるし
小さいのに
匂いはプンプンするし
とにかく美味しそう
庶民には
分かりやすい感想だね(笑)
静かに食事が始まり
会話も続いた