“俺の女”





理乃さんがまだ
ヒロさんを好きだと分かっても
怖くはなかったんだ



なんでかな―‥



きっとヒロさんが
感じさせてくれたからだと思う


さっき、あたしの前で
はっきり言ってくれたから
それだけで不安なんて
なくなるんだよ



「今日は疲れたろ‥
風呂入って寝るか?」


「うん。そーするよ」




先に風呂に入る準備をし
あたしは洗面所に来た




あたしは疲れてないよ
今日は素敵な1日だった

久々にヒロさんに会えて
両親や美紀さん達とも会えた


あたしは今とっても感激してる


すごく幸せを感じるんだよ



疲れてるのはヒロさんの方だ
あたしの為に
一生懸命になってる姿は
かっこよくて素敵だけど
自分を貶(けな)してまで
あたしを守らないでほしい


ヒロさんはヒロさんのままで…
理乃さんの中にいてあげてほしい



そう、あたしは思ったんだ



綺麗事じゃない
被害者ぶってなんかない
悲劇のヒロインを
演じたいわけじゃない




この時あたしは
薄々気付き始めていたんだ



あたしに何が必要か
あたしに何ができるのか




分かる時がきたんだよ







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