“俺の女”





中途半端‥?




高校時代に好き同士で
付き合っていたのに
なんで中途半端なの?




同じ愛が欲しい




ヒロさんの愛が
足りなかったってこと‥?





「‥俺は俺なりの
愛し方で一緒にいるんだ。
理乃の時もそうだった」



「わかってるよ。
ヒロは誰にも左右されないもんね
‥やり直して、もう一度
ヒロに愛してもらうなんて
‥今更‥だよね‥―」



「さっき言われたよ‥
あかりに」



「え‥?何を?」



「別れようって」



「………‥」




理乃さんの声が止まった



あたしが言った言葉が
どう感じたの?



ヒロさんの低い声が続く



「俺は"別れない"って
言った。 だけど
あかりは理乃のためにって‥
あと…‥」





ドアの前に突っ立ったままのあたし




"あと…"の次は




きっと



気持ちを伝えるんだね‥?



あたしはドアに背を向け
目をつぶった





「あと‥?」



「あと‥ 俺が
理乃のことが好きって
言ったから、あかりが
身を引こうとしてるんだ」





ヒロさん


違うよ




あたしは身を引けるほど
強くないよ





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