“俺の女”





ヒロさん




駅に着く前に
あたしに言ったよね




"大きくなるから



待ってろ"







あたしの小さな荷物を
軽々しく持ちながら
風になびく短い髪を
抑えて言った言葉





かっこいいと思った





けどねヒロさんは
それ以上大きくなっても
きっと未来はヒロさんのもの




一人になったあたしには






大きくなったヒロさんを
迎えることなんて
できないんだよ





理乃さんは
そのヒロさんを笑顔で迎えるだろう





あたしには






できてしまった壁を
越えるヒロさんが
怖くて見れない





それが愛ならば
あたしも大きくなくちゃダメなんだ





そんなの無理






もう






ヒロさんの傍で
笑っていられるのは






もっと遠くになってしまうんだよ







簡単に言えば




ヒロさんが大きくなっても
あたしがこのままだと
余計に辛くて苦しくて





理乃さんへ向けられると
決まったと同じなんだ





あたしには






ヒロさんの想いを
受け止めれないんだ









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