“俺の女”




「‥俺の女になったら
この話はパスする」




"俺の女"






【俺の女】





やだ‥




何言ってんのよ




それだけは




言わないで‥―





それだけは



まだ





ヒロさんだけのセリフ‥





「冗談だよ!! なに
マジになってんの?
つーか青ざめてんじゃねぇよ」



「え‥あぁ冗談‥?
も、もぉ〜やめてよねぇ
はは‥ 早く帰ろ帰ろ!!」


「……」






あたし



まだ残ってる






あたしの中の
特別なセリフだけ‥





特別な立場を



まだ




残そうとしてる…‥







ヒロさんは迎えに来ない



あの時で"さよなら"だったんだ





それからの日々
悲しくなんかなかった




なのに…なんで?





【俺の女】って聞いただけで
ここまで熱くなって
体全体に伝わる脈の音





どうかしてる





もう終わってるのに





完璧には
消せてなくて




ヒロさんの存在じゃなくて





あたしの立場をヒロさんの中に
あってほしいと
そう思っていたのかもしれない



いや




あたしの中に
ヒロさんが
まだいるんだ…―





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