“俺の女”





「ねぇ、今帰ったの?」


「そうだよ。実習が長引いたの。
合間ぬって何回も
電話したのに
出ないし、返事ないし…
本当、何かあったのかと
思ったよ」



「え…そうなの?
ごめんね!!」



カバンから携帯を取りだし
画面には



不在着信 7件


メール 3件




あらら〜…



こんなにも…




「寝てんだもんな〜
心配して損したよ」


「ほんと、ごめんね…」



「もう、いいよ。
慣れてないし
疲れてるのは分かってるからさ。
それに、落ち着きたいのも
分かるし」



「…うん」



「ほら行くよ!!」




そう


落ち着いたんだけど



かえって


明日になったことで
それまでの時間が
緊張を増やしてしまう






あの夢



真っ白で
広くて



その中で


あたしを呼ぶヒロさんがいた





"待ってたんだぞ?"




もし



これが正夢なら
あたしは喜べるの?




今日は
お別れを言いに来た



けじめをつけに来たんだ






あんな夢見るなんて





あたし





どうかしてる…―






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