“俺の女”
"俺の××" 【最終章】
長い間ヒロさんに抱きついたまま
あたしは幸せに浸っていた
こんな時間がくるなんて
思ってもなかったよ
「会社のことなんだけどさ‥」
「ん…?」
会社?
経営する、って話のこと?
「今、こっちでお世話になってる
社長のもとで色々、準備してんだ。
最後の段階まできてるんだ‥
そんなに時間は掛からないと思うから
今月中には起(た)つと思う。
だから‥もう少し我慢できるか?」
あたしのために
一生懸命になってくれた
目の前には幸せがある
我慢できない訳がない
「うん。ありがと、ヒロさん。
あたしも頑張るからね。
ヒロさんが、あたしに
してきてくれた事に
あたしも頑張って進むから。
一緒に頑張ろ♪」
結局、"頑張ろう"しか
言えてないけど
これが今のあたしには最大限
ヒロさんには伝わったはず‥
「頑張ろうな。これからも一緒に」
ほら、伝わってる
二人で満面の笑みを見せ合う
これほど素敵な日があるのは
ヒロさんとだから。
ヒロさんじゃないとダメなんだよ。