“俺の女”
「妹たち帰った?」
「うん
礼は用事が
できって先帰って
美紀さんは
彼氏と会うからって
さっき別れた」
「彼氏?
あいつこの前
別れたつって
泣いてたのにな〜」
「え‥!?
でも美紀さん
確かに言った‥」
「‥ふ〜ん。
ま、いんじゃね?
なんでも」
何かを
分かったかのように
言うヒロさん
あたしはバカだから
分からなかった
美紀さんからの
優しさだったって
ことを‥‐
車に乗り
ヒロさんが喋りだした
「京子
家まで送ってきた‥」
‥…。
あたしは
黙って聞いた
「京子にさぁ
俺のこと好きなら
別に好きでいても
いいって前に
言ったことが
あったんだよ‥
嫌いになるのも
好きでいるのも
京子の自由にしろって」
あたしだったら
期待しちゃうけどな‥
「だけどそれは
女のキープとして
残したいとかじゃなくて
京子に対しての
優しさのつもり
だったんだ‐ 」
優しさ‥?
「京子みたいに
想い寄せられたこととか
なかったから俺。
‥でも
好きじゃねぇのに
答えることも
できなくて 」
その優しさが
もっと京子さんの
想いを
大きくしていったんだよ…‥