“俺の女”




出店で買った
焼きそばとジュースを
持って

隅の階段に座る






「いつ来るのかねぇ〜」




ジュースを飲みながら
オジサン口調で言う礼




「分かんない‥
でも‥来なくていいよ‥
恥ずかしいもん‥!」




「まぁ…ね〜」





制服姿は
見慣れていると
思うけど
学校内のあたしを
見られるのが
恥ずかしい…‥




なんかこう‥
規則に従って
動いてます!って
感じを
見られたくない





礼も同じ気持ちでいた







「あ!!いた〜!
あかりちゃん、
係員 交代の時間だよ!!」



「へ!? …あぁ〜!!!
忘れてた!!!」





クラスの子が
展示の係の交代を
知らせに
やってきた




あたしは
ヒロさんのことで
頭いっぱいで
係のことなんて
すっかり
忘れていた





「じゃぁ
あたし行ってくる!!」



礼は時間が違うため
この場所でお留守番。






走って教室に行くと
もう一人の係員が
すでに待っていた





「‥ごめんねぇ〜
遅れた!!」


「全然いいよ!!
どうせ何もすること
ないしさ!」




そう優しく言って
くれたのは
同じクラスの平野くん。




「ありがとう!!」



「いえいえ‥」




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