“俺の女”





係員といっても
展示を見に来た人を
案内するだけで
すっごく地味で
めちゃくちゃ暇。






あー‥


この間に
ヒロさん来てたら
どうしよ〜‥





ましてや
ここに来られたら
やばいよ!!!





こんなことしてるの
見られたら
絶対笑われるに
決まってるもん‥!!!






どうか
あと30分‥




ヒロさんが
来ませんよーに〜‥






「‥お〜い!!!」




「へ?! あ、ごめん‥
何?」



ボーッとしてて
平野くんが
呼んでるのに
気付かなかった―‥




「はい、これ」


「え…くれるの?これ。」



「うん。どーぞ」





手渡されたのは
クレープだった




「ありがと―!!
ちょー嬉しいっ♪」




「いや…さっきさ
クレープ買えなくて
へこんでるの
見えたから」




実はさっき
出店でクレープを
買おうとしたんだけど
なんとも早い完売で
買えなかったんだ



「そうなの!!
始まって30分で
完売って凄いよね?!
あ…でも
貰っていいの?」



「いいよ。
どうせ好きじゃないし‥」





じゃぁなんで
買ったの…?



って聞きたかったけど
クレープを貰った
嬉しさで
後は何も聞かなかった



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