“俺の女”





「あかり‥?」



礼が心配そうに
近づいてきた




「後夜祭‥
出ないの?」



「‥うん‥
ちょっとね〜‥」


「そっか。
あたしも一緒に!って
言いたいとこだけど
今は一人の方が
いいかもね‥?」



あたしの気持ちを悟って
気を使ってくれてる





「ごめんね‥?
できれば ‥そうしたいな」


「わかった!!
じゃぁあたしは
戻るけど
何かあったら
連絡して!!
携帯持っていくから♪
じゃあね!」




礼はそう言うと
教室を静かに出ていった





ごめんね礼‥




心配ばっかり
かけちゃって―‥






早くヒロさんと
仲直りして
礼に笑った顔
見せないとね






そう決心すると
固まった脳ミソが
徐々にほぐされていく‥





自分のためだけじゃない




礼のためにも
あたしが素直に
ならなきゃ!!!






平野くんのこと
本当に何もないって




京子さんの話

ヒロさんを疑って
ごめんなさいって




ただそれだけのこと




お互いに好き同士なら
精一杯の気持ち
伝わるよね?




そうだよね? 礼。





あたしは意を決し
ヒロさんに連絡しようと
携帯を取り出した






その時―‥



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