“俺の女”
顔が真っ赤で
力一杯に握られた拳
平野くんはあたしから
目をそらさない
動揺しているせいか
あたしはキョロキョロ
してしまう
「返事‥
聞かせて?」
そう言うと
目をつぶり返事を待つ
平野くん‥
あたしに想いを
寄せてくれてるのは
すごく嬉しい
性格も優しくて
なおかつ、元気で
明るい人。
学年では
モテてる方で
"平野くんって
かっこいいよね〜♪"
っていう話を
今までに何回か
聞いたことがある
そんな平野くんは
いたって目立つほど
綺麗でもないあたしを
気に入ってくれた
周りから見れば
あたしの立場って
羨ましいって
思われるんじゃ…
……‥‥‐
でも‥
あたしには
大好きな彼氏がいる
ヒロさんという
大切な人がいるの
だから…
「‥ごめん
あたし、彼氏いるの。
その人が大好きだから
平野くんの気持ちには
答えられない‥」
平野くんは
目をつぶったまま
黙っている‥
「平野‥くん??」
「知ってたよ…」
…???