“俺の女”




顔が真っ赤で
力一杯に握られた拳





平野くんはあたしから
目をそらさない





動揺しているせいか
あたしはキョロキョロ
してしまう




「返事‥
聞かせて?」





そう言うと
目をつぶり返事を待つ
平野くん‥







あたしに想いを
寄せてくれてるのは
すごく嬉しい





性格も優しくて
なおかつ、元気で
明るい人。




学年では
モテてる方で
"平野くんって
かっこいいよね〜♪"
っていう話を
今までに何回か
聞いたことがある






そんな平野くんは
いたって目立つほど
綺麗でもないあたしを
気に入ってくれた






周りから見れば
あたしの立場って
羨ましいって
思われるんじゃ…





……‥‥‐



でも‥



あたしには




大好きな彼氏がいる






ヒロさんという
大切な人がいるの







だから…




「‥ごめん
あたし、彼氏いるの。
その人が大好きだから
平野くんの気持ちには
答えられない‥」




平野くんは
目をつぶったまま
黙っている‥




「平野‥くん??」



「知ってたよ…」





…???



< 96 / 421 >

この作品をシェア

pagetop