“俺の女”





「ごめん…
平野くんの気持ちは
すごく嬉しいけど
あたしは
彼氏しか好きに
なれない‥
泣かされても
何を言われても
そんな彼氏が
大好きなの‥!!!
嫌な部分を見つけても
嫌いになれない…
不安はいっぱいあるけど
これからもずっと
大好きな人だから!!」




今まで
ずっと考えてて
浮かばなかった
ヒロさんへの言葉が
すらっと出てきた‥






これをヒロさんに
言いたかった―‥





平野くんに
言ってどーすんのよ‥





でもまぁ
これで伝わったはず―…




「‥そんなの‥」




「え‥?」




「そんなのおかしいだろ?!
俺はその彼氏みたいに
不安を与えたりしない!!
だから…‥」




その時だった―‐





「お前しつけぇよ」






…‥?!





聞き覚えのある声に
あたしは
そっちを見た





「もう断ってんだろ?
何回も追求すんじゃねぇ」



「ヒロさん‥っ!!?
な、なんで?」




少しご機嫌斜めな
ヒロさんが
ドア越しに立っていた





「帰るぞ。あかり」



「え?! ‥でも〜‥」



「‥いいから!!」



「うん‥」




ただ呆然と立っている
平野くんを抜いて
ヒロさんの方へ
歩いていく‥




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