【完】好きじゃないもん(続)
未瑠SIDE
由宇と分かれた後1人で玄関へ向かった。
由宇の夢は佳正くんが世界大会で優勝するところをそばで見ること。
私はそういう夢がないからうらやましかった。
だから、由宇を応援する気持ちがなおさら高まる。
靴に手をかけて帰ろうとしたときだった。
「お前...っ。」
その声の持ち主を私は知っていた。
「直?...近くにいる...?」
そうつぶやいて隣の下駄箱の列をのぞいていたときだった。
「...直。...と城山さん?」
私はその場にいることが耐えられなくなり駆け出していた。