またキミに逢えた日に
一章§すべての始まり
4月.....
「柚唯ー。一緒のクラスだよね?」
と大親友の沙希が話しかけてきた。
だといいねとだけ返して、うちはぼうっとしていた。
1年B組。
これがうちの前までのクラス。
新学期とともに一つ上の2年生になる。
うちは、A組がよかった。
というか、絶対A組。
もちろん沙希と同じクラスがいいけど、それ以前に大きな理由がある。
うちには、好きな人がいる。
半年ぐらい前から好きになった人。
一つ上の先輩で、同じテニス部の部長をしている。
なぜかそのことを、みんなテニス部のしっていた…。
もちろん沙希も…。
まぁいいんだけど。
先輩は3年A組。
だからA組がいい..
体育祭でもしかしたら、一緒にフォークダンスできるかもしれないから…。
なんてバカなこと考えていたら、大嫌いな担任がやってきた。
「お前らー。廊下並んで体育館行けー。」
ダルそうな低い声。すごくキモい。
体育館は寒くて死ぬかと思った。
校長の長い話。
最高にダルかった。
そのあと…2年だけ残されて、運命のクラス発表だ。
「どうかA組…。どうか…どうか_。」
ずっと念じてた。
なんと、
A組に“遠藤柚唯”
B組に“平沢沙希”
嬉しいのか、悲しいのかわからなかった...。
沙希と離れて悲しい反面、A組になれて嬉しいのもある。
すると、今にも泣きそうな顔で沙希が抱きついてきた。
「柚唯ー。離れちゃったよー..。」
仕方ないよ。
と素っ気ない返しに不満そうな沙希。
でもこればっかりは仕方がない。
それから、各クラスが教室に向かいHRの時間..。
私の席は窓側の一番後ろ。
誕生日が3月28日だから、出席番号は一番最後。
でも、この席好きだからいいや~。
ずっと外見てられるし。
グランドの右側にあるのが野球場、その左側にあるのがテニスコート。
ずっと野球場を見つめていた…。
お母さんが好きだった野球を…。
ぼうっとしていたら、大嫌いな新担任..通常カッパに注意された。
「あの。外には妖精さんが飛んでますか?」
あぁウザい。
別にいいじゃんか。ぼうっとしたって..。
はぁ...。
と一つ溜め息。