君だけを、いつも
夜。
私はいつもの公園に
足を運ぶ。

『遅かったなぁ』
ぶっきらぼうに言う。
「友達と語ってて」
私もぶっきらぼうになる。
『友達できたん?』
「当たり前だよ、」
『でも約束時間は守れ』
「3分だけよ?」
『俺よりダチかよ!!』
また始まった。
もうヤメテ。
私の彼氏は流貴也。
9ヶ月の彼氏である。

私の彼氏は
世界で一番
私を必要として
私を愛している。
…なわけがないだろう。
わかってるけど
離れられない。

流貴也はいつも
私を束縛してくる。
私が少しでも束縛から
逃げると
暴力にはしる。
暴力で愛を繋ぎとめる。


「痛いよ、流貴也。」
『ほんとは男と居たんじゃねえのかよ!』
「苦しいから、やめて!」

ふっと手の力が弱まる。
そして私を抱きしめる。
『ごめん、愛琉。痛かったよな。ごめんな。』
必死に謝る。
『愛してるよ、愛琉』

そっと優しくキスをする。




『あいるんるんー!』
みちるが走ってきた。
『でこ、なした?』
「転んだー(笑)」
『ふーん?あそこ!呼んでるよ』
誰がわたしを呼ぶのよ。
「どちらさん?」
『隣のクラスの小澤純矢なんだけどさ、今日つき合ってくんないかな?』
うわっ超かっこいい!
V系にいそうな…
いや、かっこかわいい系だなあ。
「彼氏いるから、無理なの~!!」
『知ってるよ』
え?知ってるて何で?
『強制、だから』


えええええぇぇぇぇぇぇ!
強制ですか!!



『イケメンやたやん』
みちるが冷やかす。
「イケメンだだよ」
テンションさがる私。




バレタラヤバイ





『愛琉ちゃん、行くよ?』
純矢くんが来てしまった。
てくてくと彼は
真っ直ぐ歩く。
『ここ座ろう。』
なんだろう。やだなあ。

『単刀直入に言っていいか?』「は?」
『今の彼氏とは、別れた方がいいよ』
なんでそんな…
「なんで?」
純矢くんはむきなおして
『DVだろ』
私は目を閉じた。
「別れたい。だけど切り出すと殴られる」
『暴力は愛じゃない。まだ愛琉ちゃんは壊れてない。大丈夫!そんな愛なら俺が助ける!行こう、一緒に。』

涙が出た
止まらなかった
「怖かったの。ありがとう」






君が教えてくれた





暴力は愛じゃない
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