神の雫
その目に映ったのは、
煌めく雪の中、ゆっくりと空から降りてくる…純白の…人…とおぼしき姿だった。
淡い光を放ちながら、だんだんと地上へと近づいてくるそれが、はっきりと人だと認識した時、
レインは無意識に走り出していた。
夢中で走り、やがて、目の前に降りてきたその人を受け止めようと、レインはてを伸ばした。
ふわん
自分の腕に触れた瞬間に、一度浮いた彼女のからだ。それはまるで重力を感じさせない羽のような軽さだった。
驚きとともに、今度はしっかりと彼女の体を抱きしめるように受け止める。
そしてレインは改めてその姿を見つめた。
滑らかな白い肌に漆黒の髪。
見たこともない純白の衣類を何重にも纏っているが、その上からでも感じ取れるほどの、華奢なからだ。
人なのか。
それとも、それ以外のものか。
幼さの残るその顔からも、まだ少女のように見えるが。
彼女自身が発する淡い光で、夜の暗がりのなかでも、その姿がはっきりと見てとれる。
レインが食い入るように見つめていると、
やがて彼女の長い睫毛が微かに震えた。