ホワイトキャンバス
ある寒い冬の日だった。

その日はバイトに行く途中で雪まで降ってきて、僕はマフラーで鼻の下まで隠れる位覆って、歩いていた。

都会といってもこんな住宅地の細い道では、夕方5:30を過ぎれば殆ど何も見えなかった。

でも、僕とすれ違った女の子が、身を縮めて歩いていくその足に何も身に着けていなかったことには気が付いた。


思わず振り返ったが、声はかけなかった。

急いでいたのだ。



それに、あまり関わらない方が良いと思った。





僕は臆病だからだ。



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