いん とれいん。
____ガタン、ゴトン
電車が揺れる度に振動が私を打つ。窓から景色を見ればもう知らない街並みが広がっていた。
「浅湖駅〜浅湖駅〜お降りの際は………」
駅員さんのアナウンスが電車を流れ、私はゆっくりとたち、電車から降りる。
息を吐けば白く、冷たい季節。
終着駅まで粘り、降りた駅から見える景色を眺める
誰も知らない。誰もいない。
そんな小さくのどかな街に降り立った。
改札を出て空を見上げれば、星が瞬き藍色、というよりは黒に近い空が広がっていた。
私はとりあえず浜辺を目指し歩き始める。
別に目的があってこの地に来たわけじゃない。何もないから来たんだ。