いん とれいん。
ふと、肩から提げてあるモノで星空を覗き撮ってみようと思った。
__何かがありそうな気がしたから。
___パシャ………
静かで真っ暗な場所に響き渡るシャッター音、酷く不釣り合いだと思った。そして、撮れた写真もあまりにも滑稽すぎて笑える。
ただ、星を撮しただけの写真に何を感じろと言うのだろうか。
まるで、自分のようだと思った。何も感じることの無い自分と。
肩に提げたモノをもう一度見てから歩き始めた
______つもりだった。
「あれっ?ちょっとそこのひと〜どこいくん?」
後ろから自転車でやって来た見知らぬ男性に声をかけられたので、足を止めた。
チリン、と夜空の下にはまわり似合わない音が聞こえた。
風を感じて、横を見ると男性、と言うには幼く少年、と言うには不釣り合いな青年が自転車に乗って此方を見ていた。